
耳ダニはどんな生き物?見つけ方や対処法について
犬や猫に危害を加えるダニはマダニだけではありません。
耳ダニというダニも要注意の生き物です。
寄生されると犬・猫に大きなストレスがかかります。
しっかり対策をして、犬・猫の快適な暮らしを守りましょう。
01耳ダニとは
耳ダニは、耳に寄生するダニです。
どんな生き物なのか、見ていきましょう。
耳ダニ=ミミヒゼンダニ
耳ダニの多くは、「ミミヒゼンダニ」というダニです。
耳の中に寄生するダニは「耳ダニ」と呼ばれています。
耳疥癬(みみかいせん)とも呼ばれます。
耳ダニは0.3mm~0.5mmととても小さく、肉眼では見えません。
エサは犬・猫などの耳の表皮や分泌物です。
耳の中で暮らし、耳の中で増えていきます。
特徴的な症状は「かゆみ」。
耳の中をたくさんの耳ダニが動き回るため、激しいかゆみが見られます。
ペットに耳をかきむしる・頭を振るなどの症状がある場合は、耳ダニがいる可能性があります。
耳ダニは小さいながら、もたらす被害は大きなものです。
ノミ・マダニと合わせて予防しましょう。
02耳ダニが発生する場所・原因

耳ダニ感染は、基本的に動物から動物への移動によるものです。
より詳しく見ていきましょう。
耳ダニは他の動物からうつる
耳ダニは、ほかの動物からの移動によってうつります。
感染している動物との接触で簡単にうつります。
かゆくて頭を振ったりすれば、耳ダニが飛び出して感染はあっという間です。
耳ダニ対策は、日々の予防が欠かせません。
耳ダニの見つけ方
耳ダニを見つけるには、ペットの様子をよく観察することです。
耳ダニ自体は非常に小さく、目では確認しづらいためです。
黒い耳垢や、耳を気にする姿を目にした場合、耳ダニが寄生している可能性が高いです。
見つけた場合は速やかに動物病院へ連れていきましょう。
03耳ダニの症状
耳ダニが寄生していると、次のような症状が見られます。
症状
- 黒っぽい耳垢が大量に出る
- 頭をよく振っている
- 耳をかく
- 耳をこすりつける
そのほか傷口から細菌が入り込むと、合併症となって犬・猫を苦しめることもあります。
症状について、詳しく見ていきましょう。
黒い耳垢
耳ダニの特徴的な症状は、大量の黒い耳垢が出ることです。
この耳垢には、耳ダニの糞や卵、犬・猫の乾いた血液などが詰まっています。
耳ダニは犬・猫の耳で生活しています。
大量の耳ダニがそれぞれに表皮を食べたり排泄したりしているので、黒いものがどんどんたまっていくのです。
かゆがる様子が見られ、大量の黒い耳垢が出たら、耳ダニを疑いましょう。
合併症
耳ダニを放っておいたり、かきすぎて傷ができたりすると、別の病気を引き起こしてしまうこともあります。
そんな合併症の一部をご紹介します。
耳血腫(じけっしゅ)
耳血腫(じけっしゅ)は、耳に血がたまって大きく腫れてしまう症状です。
耳ダニ → 外耳炎 → 内出血 → 耳血腫といった流れで起こってしまうことが多いです。
耳血腫の治療は、たまった血を抜き、薬を投与します。
放っておくと耳が変形してしまう恐れがあります。
ネットで検索すると血がたまった耳の写真が出てきますが、結構しんどいものです…
元気に過ごしてもらうためにも、寄生虫予防は必須ですね。
マラセチア
マラセチアとは、簡単に言うとカビです。
肌の状態が悪いとどんどん悪化していくため、耳ダニに寄生されている間は要注意。
マラセチアの治療に欠かせないのは「耳洗い」です。
専用のシャンプーでしっかり洗うこと。
お薬を使うこと。
根気よく続けることが大切です。
04ペットが耳ダニに咬まれたら

もしペットが耳ダニに咬まれていたら、何をしたらよいのでしょうか?
まずは駆除です。
今ペットに耳ダニを発見した方は、早急に動物病院へ連れて行ってください。
私たち一般の飼い主にできる対処方法は、ひとまずこの2つです。
- 動物病院へ行く
- 耳ダニの駆除薬を使う
そして、「イベルメクチン」という駆虫成分がコリー犬に使えないのはご存じでしょうか?
コリーの飼い主さんは要チェックです。
動物病院へ行く
耳ダニを見つけたら、まずは動物病院へ行きましょう。
一見平気そうでも、何か別の病気に発展していることもあるためです。
犬・猫が苦しむ前に、食い止める。
そのために、まずは獣医師に見てもらうのが一番です。
耳ダニの駆除薬を使う
もしおうちにある場合は、駆除薬が使えます。
駆除薬は、定期的な投与で予防もできるものです。
さらに、耳ダニのみならずほかの寄生虫にも有効なお薬もあり、便利です。
薬には、こんなメリット・デメリットがあります。
メリット
- 危険な病気からペットを守れる
- 早く対処できる
- 持っていれば病院に連れて行かなくていい
- 月に1回の投与で持続的に駆除・予防ができる
デメリット
- 副作用が起こることがある
- 注意事項を守らないと大変危険である
薬の服用により、副作用が起こる可能性があります。
寄生虫の駆除薬は、嘔吐、元気喪失、下痢などが特に多い副作用です。
それでも薬を使うのは、確かな効果があるから。
犬や猫を守るため、予防や駆除は必須です。
副作用をできる限り避けるため、薬を使う時は以下のことを絶対に守ってください。
- 用法・用量を守る
- 使用期限を過ぎたものは使わない
- 年齢制限を守る
- その他注意事項をしっかり確認する
上記を守っても副作用が出た際には、よく観察しておきましょう。
それは、獣医師に以下のことを伝えられるようにするためです。
- いつどんな薬を服用したか
- 服用してからどれくらいの時間で症状が出たか
- どんな様子か
発作が出た場合は、動画の撮影をすると獣医師に伝えやすくなります。
コリーには薬が使えない?

コリー犬は、「イベルメクチン」という成分が使えません。
イベルメクチンとは、駆虫成分のことです。
寄生虫に対する駆除薬によく使われる成分です。
コリーにイベルメクチンを投与すると、中毒を起こしてしまう恐れがあります。
しかしコリーが使える駆除薬もあります。
レボリューションやレボリューションプラスはコリーに限らず特に人気のお薬です。
合うものを選んで、コリーも飼い主も安心な暮らしを送りましょう。
05耳ダニの予防

耳ダニを予防するには、以下の4つが効果的です。
- 予防薬を使う
- 定期的な耳掃除
詳しく見ていきましょう。
予防薬を使う
耳ダニの予防薬は、予防・駆除兼用の薬がほとんどです。
定期的な投与で、予防も駆除もできます。
耳ダニ予防薬は、耳ダニだけでなくほかの寄生虫を駆除できるものもあります。
どの虫に効果があるのか、細かく知っておくと薬も選びやすくなるはずです。
薬は種類が豊富なため、目的やペットのタイプに合わせて選んでください。
また、肌が弱く薬を使うのが心配な犬・猫は、薬を使わないでノミを予防する方法を活用しましょう。
定期的な耳掃除
耳ダニの予防は、耳を清潔に保つことが1番です。
ただ、犬と猫で考え方は変えた方がよさそうです。
犬は定期的に耳掃除を行いましょう。
適当な頻度は犬それぞれのため、よく観察して行ってください。
猫はあまり耳掃除が必要ありません。
しかし、チェックは大切です。
ブラッシングの際などによく観察して、必要そうであればコットンなどで優しくふき取ってください。
犬も猫も、耳はさまざまな情報を仕入れる大切な器官です。
快適に暮らせるよう、お手入れはペットに合わせた頻度で行いましょう。